数学吉田塾 連続講義「数理流体力学入門」

主に理学部1、2回生で数学の進んだ内容に興味を持つ学生を対象に、数学吉田塾 連続講義を行います。

タイトル
「数理流体力学入門」
講師
坂上 貴之(京都大学 大学院理学研究科・教授)
日時
2014年10月28日(火),29日(水),11月17日(月),19日(水)
いずれも18時15分〜19時30分
場所
京都大学理学研究科3号館 108講義室
対象
主に理学部1,2回生で数学の進んだ内容に興味を持つ学生
*申し込みは不要です
講義の概要
 様々な「流れ」を数学的な手法を使って理解する方法について講義します.流体の運動を記述する偏微分方程式の1つであるNavier-Stokes方程式の解の存在と連続性の証明は数学上の未解決の難問ですが,一方で複雑な挙動を見せる流体の「運動」を数学的に記述することも,それと同じぐらい重要です.すなわち
「現象を記述するのは方程式ではなくその解である」
という考えのもと,流体の運動を数学的に記述する例をいくつか紹介します.講義は前半の二回は流体方程式の導出とその基本性質の紹介をします.後半二回は二次元流体に話題をしぼって「渦力学」の数理解析について紹介をします.後半の最後では,9月の数学入門合宿で触れたシャノンエントロピー最大化に基づく渦統計力学による二次元乱流モデルの話まで到達したいと思います.
 なお本講義の発展的テーマとして,Robert Krasny SGU特別招聘教授による京大スーパーグローバル特別講義"Topics in Mathematical Analysis of Vortex Dynamics"が10/7, 10/28, 11/17, 11/25日の15時〜18時に開講されています.この講義と合わせて受講することで,この分野の基本から研究の先端まで触れることができると思います.興味ある人は是非聴講してください.