数学・数理解析専攻(数学系)修士課程入試の合否判定基準および志望研究分野調査書の変更について

数学・数理解析専攻(数学系)修士課程入試の合否判定基準および志望研究分野調査書の変更について

令和7年3月4日

令和8年度大学院修士課程入試(令和7年8月実施)から、数学・数理解析専攻の数学系修士課程入試の合否判定基準および志望研究分野調査書の内容を変更します.また博士後期課程進学資格試験(QE)についても変更を行いますが、この変更は令和8年度の修士課程への入学者から適用されるものであり、令和7年度以前の修士課程入学者については従来の制度が継続されます。

合否判定基準と志望研究分野調査書の詳しい新旧対照表はこちらを参照してください。

【合否判定基準の変更】

数学系修士課程入試の合否判定基準を以下のように変更します。

(変更前の合否判定基準)
  • 基礎科目・専門科目及び英語の筆答試問の成績、口頭試問の評価を、総合的に判断して合否を判定します。
  • 口頭試問では専門分野の適性および知識、研究に必要なコミュニケーション能力、研究への意欲などを評価します。
  • 口頭試問の評価が合格基準に達していない場合には、筆答試問の成績如何にかかわらず、不合格となることがあります。
  • 数学系では、入学後博士後期課程へ進学するための要件の一つとして博士後期課程進学資格試験(QE)を課しています。QE は数学の基礎知識の確認のための筆記試験と口頭試問よりなります。筆記試験は8月頃と2月頃に行われ、筆記試験で十分な学力が認められた学生に対しては、後日口頭試問が行われます。それに合格すると博士後期課程に進学する資格が得られます。実際に博士後期課程への進学は修士論文の審査を経て決定されます。数学・数理解析専攻数学系修士課程入学試験において優秀な成績をおさめた受験生は入学後にQE が免除されることがあります。
(変更後の合否判定基準)
  • 合否は、提出された出身大学での成績、筆答試問の得点、口頭試問の評価および調査書・レポートの内容を、希望中区分を考慮して総合的に判断して決定します。このため合格は筆答試問の得点順にならないことがあります。また希望中区分によっては第1希望の中区分で合格とならないことがあります。1次合格の判定は主として基礎科目の得点を元に行います。1次合格者に対して口頭試問を行い,専門科目および英語の得点と合わせて専門分野の適性および学力などを評価し合格の判定を行います。このため口頭試問の評価が合格水準に達していないときは、筆答試問の得点の如何に関わらず不合格となることがあります。
  • 数学系では、博士後期課程進学資格試験(QE)を実施しています。QE として数学の学識と今後の研究計画を審査するための口頭試問を秋頃に行います。なおQE を受験できるのは原則として修士課程入学後在学1 年以内とし、在学中に受験できる回数は1回とします。数学・数理解析専攻数学系修士課程入学試験において優秀な成績をおさめた受験生は入学後にQE を免除されることがあります。QE の合否にかかわらず、修士課程から博士後期課程への進学時に進学試験を行い進学の合否を判断します。進学試験では口頭試問を行い、修士論文の内容と今後の研究計画に沿って合否を判断します。QE に合格していない学生も進学試験の受験は可能ですが、進学試験に加えてQE 相当試験として追加の口頭試問を行います。このQE 相当試験の合格基準はQE 試験と同等とします。このQE 相当試験に不合格の場合、進学は認められません。

【志望研究分野調査書の変更について】

志願者の関心・希望をより詳しく把握し、それを反映させた口頭試問を行うことを主な目的として、志望研究分野調査書に以下の変更を行います。

  • 従来の志望研究分野調査書は,志望する研究分野を代数学・幾何学・解析学・保険数学・計算機科学・応用数学の6つの中から選んで記入する形式でしたが、今回新たに以下の9つの【中区分】という教員の区分を設けることになりました。新しい志望研究分野調査書では、これらの中から希望する中区分を第一希望から第三希望まで選択し記入してもらいます。
    • 中区分:代数学1、代数学2、幾何学1、幾何学2、解析学1、解析学2、応用数学、保険数学、計算機科学

    ここで、代数学1、代数学2、幾何学1、幾何学2、解析学1、解析学2、応用数学の主な内訳は以下の通りです。各教員がどの中区分に所属するかはこちらを参照してください。

    • 代数学1:数論、表現論       代数学2:代数幾何学  
    • 幾何学1:トポロジー        幾何学2:微分幾何学、離散群論、エルゴード理論  
    • 解析学1:偏微分方程式論、実解析学 解析学2:確率論、関数解析、作用素環論、力学系 
    • 応用数学:非線形解析,数理モデリング,データ解析
  • 従来の志望研究分野調査書では【QE 免除にならなかった場合に第一希望分野を保険数学に変更したい場合はここにチェックを記入してください。】という欄がありましたが,この欄は削除されます。QE免除にならなかった場合に第一希望中区分を変更することはできません。
  • 従来の志望研究分野調査書では、【志望する分野と関連する理論または定理で、志願者が興味を持ちかつ重要と思うものを一つ選び、その表題(またはその内容)とそれが重要であると思う理由を簡潔に記してください。】という欄がありましたが,この欄は削除されます。
    それに代わり、希望中区分ごとに修士課程入学後に勉強あるいは研究したいテーマや内容についてレポートを作成し、志望研究分野調査書に添付して提出していただきます。ただし用紙のサイズはA4 サイズとし、長さは全体で3ページ以内とします。