数学関係の推薦図書・URL(随時更新中)

数学関係の推薦図書・URLなど

> 京都大学には「自学自習」の伝統があります。 大学での講義の枠にとらわれず、自ら本を読んだり、友人と自主ゼミをやったりしながら、幅広い知識を獲得するとともに、考え方を深め、視野を拡げていくというものです。今年は新型コロナウイルス(COVID-19)のために、外出の自粛が要請され、講義も休講になったり、教室での授業ができなくなったりしています。困難な時代ではありますが、学生の皆さんは、「自学自習」の精神をもって、じっくり本を読んだりする機会であると捉え、このピンチをチャンスに変えて頂きたいと思います。学生時代に読んだ本などが、皆さんが将来社会にそして世界に羽ばたくときの糧となり礎となることを願います。

宍倉光広(国際高等教育院 数学部会長 & 理学研究科数学教室)

数学関係の全学共通科目を担当される教員他からの推薦図書・URLなどです。授業科目のテキスト・参考書のような本はそれぞれの科目でのシラバスや授業メールを見ていただくことにして、ここでは、一人で読み進められそうな本や、エッセイ、数学者に関する本などを中心に載せています。必ずしも将来数学を勉強したいわけではないが、数学に興味がある人向けの本もあります。このページの下部に、京大図書館やそこでの図書検索法電子ブックの利用法(京大生なら無料で読める!)、本やコンピュータの購入できる京大生協へのリンクも載せています。教員からの推薦図書については、推薦者の名前〔敬称略)と推薦文を記しています。〔推薦者の皆様に感謝します。〕このページは随時更新する予定です。

推薦図書

将来、数学や数理科学の分野に進みたい人へ

各科目のテキスト・参考書を読むという選択もありますし、理学部なら「教科の手引き」の自主ゼミ用のテキスト(36ページ)を読むこともできます。ここでは、それと少し違った本を紹介しています。

アイグナー&ツィーグラー「天書の証明」丸善出版 「数学が美しいと思うすべての人に、お勧めの1冊」
英語版は電子ブックもあります。Martin Aigner & Günter M. Ziegler, "Proofs from THE BOOK", Springer.

マンフォード, シリーズ & ライト「インドラの真珠 : クラインの夢みた世界」日本評論社 美しい多数の図版とともにその背後にある双曲幾何学やクライン群の理論を解説
英語版は電子ブックもあります。David Mumford, Caroline Series, and David Wright, "Indra's pearls : the vision of Felix Klein", Cambridge University Press, 2002.

久賀 道郎「ガロアの夢―群論と微分方程式 」日本評論社

足立 恒雄「類体論へ至る道―初等数論からの代数入門」日本評論社

和久井道久「大学数学ベーシックトレーニング」日本評論社 様々な問題に即して、証明を書く練習ができる。

西田吾郎「わかっているようでわからない数と図形と論理の話」京都大学学術出版会

D.フックス, S.タバチニコフ 著, 蟹江 幸博 訳,「本格数学練習帳シリーズ全3巻」高校生でも理解できそうな問題から現代数学を垣間見ることができます.〔同志社大学、浅岡正幸)

安福 悠「発見・予想を積み重ねる――それが整数論」オーム社 平方剰余の相互法則などを証明している初等整数論の本です。(石塚 裕大)

イジィ・マトウシェク「33の素敵な数学小景」日本評論社 線形代数をトピックとした本で、一通り学んだ二回生向けです。計算量の未解決問題や、グラフ理論の話題とのつながりなども紹介されています。(石塚 裕大)
雑誌数学の書評:http://mathsoc.jp/publication/tushin/2401/2401hachimori.pdf

シルヴァーマン (鈴木治郎訳)「はじめての数論」丸善出版 数学力が高く、かつ興味があれば1回生でも(ある程度は)読める(高尾尚武)

栗原将人「ガウスの数論世界をゆく : 正多角形の作図から相互法則・数論幾何へ」数学書房 数学力が高く、かつ興味があれば1回生でも(ある程度は)読める(高尾尚武)

小平邦彦編、新・数学の学び方、岩波書店 数学力が高く、かつ興味があれば1回生でも(ある程度は)読める(高尾尚武、大場貴裕)

B. I. スミルノフ「スミルノフ高等数学教程 1-12」共立出版 線型代数・微積分から始まります。特に、将来、解析学を中心に勉強したい
人の自学自修に適切です。磯祐介(磯 祐介)

数学セミナー編集部「数学ガイダンスhyper」日本評論社 (金沢篤)

加藤和也「解決!フェルマーの最終定理―現代数論の軌跡」日本評論社 (金沢篤)

村上斉『結び目のはなし』遊星社 大学数学の知識がなくても結び目理論とは何を研究するのかがわかるように解説されていた記憶があります (大場貴裕)

雑誌
「数学セミナー」日本評論社

「数理科学」サイエンス社

新型コロナウイルス感染症対策として、いくつかの出版社は、教科書などをオープンアクセスにしています.
電子ジャーナル・電子ブックの閲覧範囲拡大について(京都大学図書館機構)
Springerなど

現在、附属図書館で和書 紀伊國屋のKinokuniya Digital Library (KinoDen)電子ブック 約19,000点、
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1385853)と
丸善のMaruzen eBook Libraryの電子ブック約60,000点(https://elib.maruzen.co.jp/)が
試読できます。
*学内ネットワークに接続したパソコンやスマートフォン等からしか試読できません。

数学に関する読み物

必ずしも数学者を目指す人でなくても興味があれば。

結城浩「数学ガール」シリーズ, SBクリエイティブ 「ガロア理論」「ゲーデルの不完全性定理」などテーマ多数。

絹田村子「数字であそぼ。」小学館 吉田大学理学部の話だそうな。

サイモン シン「フェルマーの最終定理」(新潮文庫) 新潮社

サイモン シン「暗号解読(上),(下)」 (新潮文庫) 新潮社

吉田武「オイラーの贈物ー人類の至宝 e=-1を学ぶ」東海大学出版

J. マトウシェク著,徳重典英 訳「33の素敵な数学小景 フィボナッチ数、タイル張り、アルゴリズムを線形代数で眺めてみると…」日本評論社 線形代数がどんな場面で役に立つかを多様性を持って紹介する〔同志社大学、浅岡正幸)

山口 昌哉 「数学が分かるということ 食うものと食われるものの数学」 (ちくま学芸文庫) 筑摩書房 文系の学生でも理解できるように配慮されている(磯祐介、宍倉)

山口 昌哉 「カオスとフラクタル」 (ちくま学芸文庫) 筑摩書房 京大理学部の元学部長による、数学と数理科学の易しい入門書(磯祐介、宍倉)

森毅「数学受験術指南」中公文庫  かつての京大の名物教員「森一刀斎」による

イアン・スチュアート「現代数学の考え方」 (ちくま学芸文庫) 筑摩書房

イアン・スチュアート「若き数学者への手紙」ちくま学芸文庫 「数学者であることはどういうことか」を知ることができる本.特にイアン・スチュアートの本は数学者になりたいと思っている学生が読むといいと思います.〔同志社大学 浅岡正幸、大場貴裕)

スティーヴン・ストロガッツ 「ふたりの微積分――数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと」岩波書店 「数学者であることはどういうことか」を知ることができる本〔同志社大学、浅岡正幸)

大栗 博司「数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学」幻冬社 初等的な話題も多いですが,大栗さんらしい本質をついた説明が素晴らしい本です.〔同志社大学、浅岡正幸)大栗さんは京大理学部の卒業生です。

ジャック・アダマール「数学における発明の心理」みすず書房 自身も一流数学者であるHadamardが数学者の思考のあり方に迫った本〔同志社大学、浅岡正幸)

伊原康隆「志学数学-研究の諸段階 発表の工夫」シュプリンガー・フェアラーク東京 数学というよりは数学者入門(高尾尚武、金沢篤、大場貴裕)

広中平祐「学問の発見 数学者が語る 『考えること・学ぶこと』」 講談社 BLUE BACKS Kindke版あり(平賀 郁)

広中平祐「 生きること学ぶこと」集英社文庫 (平賀 郁、金沢篤)

小平邦彦「怠け数学者の記」岩波現代文庫 〔金沢篤、大場貴裕)

小平邦彦「ボクは算数しか出来なかった」岩波現代文庫 〔金沢篤)

深谷賢治「数学者の視点」岩波科学ライブラリー Kindle版もあり 〔金沢篤、大場貴裕)

セドリック ヴィラーニ『定理が生まれる:天才数学者の思索と生活』早川書房 (大場貴裕)

マーカス デュ・ソートイ『素数の音楽』新潮文庫 (大場貴裕)

ニールセン「証明の展覧会〈1〉眺めて愉しむ数学」東海大学出版会

「高校数学の美しい物語」https://mathtrain.jp 本も出ています

YouTube の Numberphile Barry Mazur, John Conway, Terence Tao なども協力している英語の数学チャンネルです。(石塚 裕大)

数学者に関する伝記・列伝

高木 貞治「近世数学史談」岩波書店 近代数学を築いた数学者達の列伝。復刻版もあるようです。

矢野 健太郎「すばらしい数学者たち」新潮社

藤原 正彦「数学者列伝 天才の栄光と挫折」文藝春秋

スチュアート「数学の真理をつかんだ25人の天才たち」ダイヤモンド社

ウイリアム・ダンハム著, 一樂重雄,實川敏明 訳「微積分 名作ギャラリー ニュートンからルベーグまで」日本評論社 微積分の歴史からの導入〔同志社大学、浅岡正幸)

シルヴィア ナサー『ビューティフル・マインド:天才数学者の絶望と奇跡』新潮文庫 (大場貴裕)



京大の図書館と電子ブックの利用


京都大学図書館機構 附属図書館 吉田南総合図書館
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例えば、上記の Martin Aigner & Günter M. Ziegler, "Proofs from THE BOOK", Springerをダウンロードする場合、まずKULINEで書名や著者名などで検索し、その中で目的の本・電子ブックを見つけます。(複数の版がある場合があります。)目的の本をクリックすると電子ブックの場合、リンクが表示されるので、そこから出版元のページに飛びます。(英語圏の出版社ならページは英語。)例えばそこで、「Download Book PDF」などというボタンを押せば、電子ブックがダウンロードできます。本全体ではなく、章ごとにダウンロードすることもできます。同じ本を何度もダウンロードしないで下さい。

著作権について

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京都大学生協など


京都大学生協 本やコンピュータが購入できます。生協組合員ならば本は10%引きで買えます。本は、注文すればキャンパスの生協各店舗で受け取れますが、最近では配達もしてくれます。
本やコンピュータは各種通販サイトやメーカー直販サイトでも買えます。AppleStoreで買うときは、ページ下の「学生教職員向けストア」から購入して下さい。