開催日時
2026/07/07 火 15:00 - 16:30
場所
6号館609号室
講演者
入倉大樹
講演者所属
京都大学
概要
3次元多様体や結び目の有限型不変量は,それぞれ強力な不変量であり,それらが配置空間積分と呼ばれる手法によって得られることは広く知られている.他方で,その双対的な概念として,葉廣や Goussarov らによるクラスパー手術,あるいは Y-手術の理論がある.渡邉は,3次元多様体の場合のクラスパー理論を高次元化した族のクラスパー理論を発展させ,配置空間積分から得られるKontsevich の特性類と族を用いることで,4次元版Smale 予想を反証した.
一方で,結び目の空間のある種の一般化である球面の間の埋め込みの空間$\mathrm{Emb}(S^j,S^n)$ の亜種の有理ホモトピー型は,埋め込みの余次元$n-j$が $3$ 以上のとき,ある組み合わせ的なチェイン複体を用いて記述できることが知られている.しかし,このモデルの幾何学的な意味はまだ十分には理解されていない.近年,このモデルを用いることで,埋め込みの余次元が $2$ 以上の場合に$\mathrm{Emb}(S^j,S^n)$ 上の配置空間積分が定式化された.
そこで本講演では,埋め込みに関する族のクラスパー理論と,配置空間積分によって得られる不変量を用いて,このチェイン複体の一部を幾何学的に実現できることを説明する.また,時間が許せば,Budney--Gabai によって得られた$\pi_1(\mathrm{Emb}(S^2,S^4))$ の無限族と族のクラスパー理論との関係についても述べたい.