A shadowable chain recurrent set with an attached hyperbolic singularity

開催日時
2025/06/27 金 15:00 - 18:00
場所
3号館108号室
講演者
村上 聡梧
講演者所属
東京大学
概要

双曲型の可微分力学系の研究で見出されたshadowing propertyは、誤差を含む粗い軌道が真の軌道によって近似可能であることを示す力学系の位相的性質であり、構造安定性などとも関連の深い重要な概念の一つである。Robinson (1977)によって双曲型集合上ではshadowing propertyが成立することが示された一方、Lorenz attractorのような孤立していない特異点を持つsingular hyperbolic set上では成り立たないことが示されている (Wen, Wen 2020)。これに関連して、Arbieto et. al.によって孤立していない双曲特異点を持つchain recurrent集合上ではshadowing propertyは成り立たないという予想が与えられた。今回はこの予想の反例を構成し、そのフローの力学系的性質について確認する。