複素力学系の退化と非アルキメデス的力学系の還元

開催日時
2025/05/30 金 15:00 - 18:00
場所
3号館108号室
講演者
奥山裕介
講演者所属
京都工芸繊維大学
概要

一変数複素有理関数の有理型1径数「退化」族をLaurent級数体またはその適当な拡大体上定義された一つの「非アルキメデス的」有理関数とみなすとき、そのBerkovich射影直線上の「Radon測度の空間への引き戻し作用素」の還元(または量子化)がDeMarco・Faberにより導入された。
本講演ではBerkovich射影直線およびBerkovich力学系の(新旧の)退化概念を概説しこのreduced/quantized引き戻し作用素の新たな定式化を述べ、上記の複素力学系退化族に付随する標準平衡測度の族に対する「退化極限定理」の(割と・かなり)整理された証明を、定理の(証明の鍵となる)精密化とともに述べたい。特に従来の証明において(大掛かりに)前もって準備されていた、退化極限(あれば)の純原子性が、精密化された退化極限定理の系としてa posterioriに従うことを見る。