Local rigidity of the homogeneous action of a minimal parabolic subgroup on a cocompact quotient of a simple Lie group of real rank one

開催日時
2025/05/09 金 15:00 - 18:00
場所
3号館108号室
講演者
浅岡 正幸
講演者所属
同志社大学
概要

Lie群Gとその格子Γについて,Gを左からΓで割った商空間をVとすると,GのLie部分群は
Vに右から自然に作用する.Gが単純Lie群,Pがそのminimal parabolic subgroupとすると
(代表的な例はGがSL(n,R),Pはその上三角行列からなる部分群の場合),Gが実階数が2以上の
場合は(G=SL(n,R)ならばn≧3の場合),このPの自然な作用ρ_0がC^∞局所剛性を持つ,
すなわちρ_0にC^∞位相で十分近い作用はρ_0とC^∞微分同相写像によって共役となることが
1990年代にKatokとSpatzierによって証明されている.

実階数が1のLie群については,G=SL(2,R)の場合は局所剛性を持たないが摂動で現れる作用は
完全に分類されており(浅岡,2012),G=SO_+(n,1) (n≧3) の場合は局所剛性を持つことが
示されている(浅岡,2015).最近,丸橋広和氏との共同研究により,G=PU(n,1) (n≧2)
などの他の実階数1のLie群についても同様な局所剛性が証明できたので,本講演ではそれを
紹介したい.

前半では群作用の局所剛性問題における既知の結果などとともに主定理を正確に述べ,
後半では,擬等角写像の理論のPanseによる冪零Lie群への拡張などのふだんは時間の都合で
話すことができない道具立ての部分も含めた証明のあらすじを述べたい.