多変数多項式の素べき巡回終結式の収束について

開催日時
2025/07/04 金 13:30 - 14:30
場所
3号館552号室
講演者
吉﨑彪雅
講演者所属
東京理科大学
概要

整数係数多項式$f(t)$と正の整数nに対し,$t^n-1$と$f$のSylvester行列式を,$f$のn次巡回終結式という.$p$を素数とするとき,[Kisilevsky]や[Ueki-Y]によって,$p$べき次巡回終結式が$p$-進的に収束することが証明され,その極限値の明示公式が与えられている.そしてこれら結果から,有限体上の関数体の不分岐$\mathbb{Z}_p$-拡大に対して,その類数の$p$-進極限値が計算できる.また,位相幾何学における類似として,結び目で分岐する三次元球面上の$\mathbb{Z}_p$-被覆と呼ばれる対象についても,類数の類似物(一次ホモロジー群の位数)の$p$-進極限値が計算できる.
本講演では,まず背景として上記の内容を概説する.そして主結果として,$p$べき巡回終結式の収束性を多変数多項式に一般化した結果を紹介する.時間が許せば,主結果の応用として,絡み目で分岐する三次元球面上の$\mathbb{Z}_p^d$-被覆と呼ばれる対象について,一次ホモロジー群の位数の$p$-進収束性と具体例を紹介する.