開催日時
2025/05/16 金 13:30 - 14:30
場所
3号館552号室
講演者
椎井亮太
講演者所属
九州大学
概要
B. MazurとJ. Tateは$\mathbb{Q}$上の楕円曲線$E$のHasse-Weil $L$-関数の特殊値を補完するMazur-Tate元を定義し, $E$のSelmer群のFittingイデアルとの関係についての予想を定式化した. 元の予想では拡大体として$\mathbb{Q}$からの円分拡大を考えているが, 考える拡大が虚二次体$K$からの反円分$\mathbb{Z}_{p}$-拡大の部分体である場合, 素数$p$の$K/\mathbb{Q}$での振る舞いに大きく依存する. $p$が$K/\mathbb{Q}$で分解する場合は, $E$が$p$で良通常還元の場合も良超特異還元の場合もBertolini-Darmon元を用いたC.-H. Kimによる結果がある. 今回, $p$が$K/\mathbb{Q}$で惰性的, かつ$E$が$p$で良超特異還元をもつ場合の類似の結果が得られた. 本講演ではこの主結果とその証明について紹介する.