開催日時
2025/01/24 金 13:30 - 14:30
場所
3号館552号室
講演者
青木宏樹
講演者所属
東京理科大学
概要
「無限積=無限和」の形をした非自明な等式として有名なオイラーの五角数定理やヤコビの三重積公式は、わずかな式変形で、保型形式の等式だとみなすことができる。では、保型形式の理論を用いて、「無限積=無限和」の形をした非自明な等式を量産することは可能だろうか。フィールズメダリストとして有名なボーチャーズは、1995年の論文において、ルート系を一般化した「ベクトル系」を定義してその道筋を与え、論文末尾に、読者への課題として「明示的に書ける面白い例を見つけよ」という問いを残している。講演者は、最近、ある仮定のもと、この問いに対して、「ルート系の分母公式として知られているもの以外に例はない」言い換えれば「ルート系を分母公式風の無限積のふるまいから特徴づけられる」ことを示すことができたので、その概要を紹介する。本講演の一部は、川ノ上帆氏(中部大学)との共同研究の結果である。