開催日時
2024/12/03 火 16:45 - 18:15
場所
6号館809号室
講演者
小山宏史
講演者所属
基礎生物学研究所 初期発生研究部門
概要
発生とは、1細胞からなる卵(胚)から細胞増殖を繰り返して成体へと変化していく現象である。この現象においては、胚の大きさが拡張(膨張)する過程と、生物組織の複雑な形態を創出する形態形成の過程が並行して起きる。本セミナーでは、胚の膨張が単なるサイズの拡大にとどまらず、形態形成にも関与することを紹介する。胚は異なる細胞集団から構成されており、ある細胞集団が細胞増殖によって膨張する際に、その細胞集団に接触している別の細胞集団は摩擦力を受ける。すなわち、膨張する場からの摩擦力が形態形成の駆動力になる。本セミナーでは、摩擦力と細胞集団のメカニカルな性質との組み合わせによって生じる形態形成について論じたい。数理モデルとマウス胚の実験の両方から紹介する。