大談話会

開催日時
2024/10/23 水 15:10 - 16:10
2024/10/23 水 16:45 - 17:45
場所
3号館110講演室
講演者
緒方芳子 / 赤木剛朗/
講演者所属
京都大学数理解析研究所 / 東北大学大学院理学研究科数学専攻
概要

プログラム
15:10-16:10 緒方 芳子(Yoshiko Ogata) 氏のご講演
16:10-16:45 Tea Break 3号館談話室
16:45-17:45 赤木 剛朗 (Goro Akagi) 氏のご講演

題目 : トポロジカル相の分類問題
講演者 : 緒方 芳子 氏 (京都大学)
アブストラクト :
本講演では量子統計力学におけるトポロジカル相の分類問題と呼ばれる問題について
の数学的な研究についてお話しします。量子統計力学において、物質の中で粒子たち
がどのように相互作用しているかを規定するのがハミルトニアンと呼ばれるエネルギー
を表す演算子です。物理系をどんどん冷やしていって絶対零度となった状態を基底状
態と言います。この基底状態がどのような様子をしているかは、このハミルトニアン
がどういう性質を持つかに依ります。近年、このハミルトニアンで、「スペクトル(
エネルギー準位)にギャップがあるもの」が興味を持たれています。この分類問題に
ついての数学的なアプローチについてお話ししたいと思います。

題目 : 非線形拡散方程式の解の漸近形とその定量的解析
講演者 : 赤木 剛朗 氏 (東北大学)
アブストラクト :
拡散の古典論から逸脱するいわゆる異常拡散はさまざまな文脈で
登場するが、その数学モデルの一つである非線形拡散 (nonlinear
diffusion) の研究は古くは Boltzmann にまで遡る。ここでは最も
シンプルながら非線形拡散の典型的な特異性を示す冪型の拡散
係数を伴う非線形拡散方程式に焦点を当て、その数学的構造や
解の性質について概観し、正常拡散との差異について考察する
とともに、非線形拡散方程式を解析するための函数解析的手法
とそれを用いた解の漸近形の定量的解析に関する近年の進展に
ついて概観する。