破壊フェーズフィールドモデルのエネルギー勾配構造とその拡張

開催日時
2024/10/09 水 16:45 - 17:45
場所
3号館110講演室
講演者
木村正人
講演者所属
金沢大学理工研究域
概要

弾性体の変形による亀裂成長現象の理論は破壊力学と呼ばれ、1920年のGriffithに
よるガラスの脆性破壊理論から始まったとされている。一方で、1998年に
Francfort-Marigoにより、エネルギー最小化を基盤とした変分的破壊力学が創始され、
その応用として、亀裂界面エネルギーのAmbrosio-Tortorelli正則化を利用して
提案された破壊フェーズフィールドモデルにより、今日では本格的な3次元
破壊シミュレーションが可能になっている。Ambrosio-Tortorelli正則化は、
もともと画像処理のためのMumford-Shah汎函数の数学的近似手法として考えられた
もので、変分的破壊力学と破壊フェーズフィールドモデルの発展において、数学的アイデア
の果たしてきた役割は非常に大きいものがある。講演では、エネルギー勾配構造をはじめとした
破壊フェーズフィールドモデルの数理について概観し、熱応力破壊、乾燥破壊、
粘弾性体破壊、水圧破砕法(フラッキング)などへの拡張について紹介する。

16:15- tea