開催日時
2024/11/15 金 13:30 - 14:30
場所
3号館552号室
講演者
行田康晃
講演者所属
東京大学数理科学研究科
概要
マルコフ数とは、マルコフ方程式$x^2 + y^2 + z^2 = 3xyz$の正整数解に現れる整数である。私は、共同研究者の松下浩大氏とともに、2021年から2022年にかけてこのマルコフ方程式を一般化し、次の形に拡張した。
$x^2 + y^2 + z^2 + k(yz + zx + xy) = (3 + 3k)xyz$
この方程式を「$k$一般化マルコフ方程式」と呼び、その正整数解に現れる数を「$k$一般化マルコフ数」とする。私は、このクラスの方程式およびその解に含まれる数が、古典的なマルコフ方程式やマルコフ数と同様の性質を保持していることを明らかにした。
今回の発表では、これらのマルコフ数および$k$一般化マルコフ数を$(1,2)$成分に持つ$2 \times 2$行列(特に$SL(2, \mathbb{Z})$の元)を導入する。そしてこの行列が、マルコフ数や一般化マルコフ数に備わる組み合わせ構造を保存することを説明する。さらにその応用として、スネークグラフの完全マッチングを利用して、既約分数から$k$一般化マルコフ数を計算する方法を紹介する予定である。