フラクタルを特徴付ける際には一般にフラクタル次元を用いるが、これだけでは分類しきれない場合もある。本講演では、離散数理モデルのセル・オートマトン（CA）によって生成したフラクタルを一変数関数によって特徴付ける方法を紹介する。CAはフラクタル生成器としても知られており、軌道が自己相似性を持つ例が多く存在する。CAによってフラクタルを生成する場合、有限時間ステップまでの生成過程の図形（プレフラクタル）を構成するセルの個数を具体的に数え上げることができるため、この数え上げの極限を取ることによって一変数関数を得る。これらの一変数関数は、フラクタルの特徴を継承しており、フラクタルの分類指標として用いることが期待される。さらにこれらの関数は、数学的にも興味深い病的関数となっている例もあるので、これらの例についても紹介したい。

備考： 本セミナーは京都力学系セミナーとの合同企画です．