集中講義 数学特別講義 8 (代数幾何学)「 幾何的ボゴモロフ予想と 非アルキメデス的幾何 」

開催日時
2023/11/20 月 15:00 - 17:45
2023/11/21 火 15:00 - 17:45
2023/11/27 月 15:00 - 17:45
2023/11/28 火 15:00 - 17:45
場所
3号館127大会議室
講演者
山木 壱彦
講演者所属
筑波大学大学院 数理物質系 数学域 教授
概要

代数体や函数体等の「算術的体」上定義されたアーベル多様体上では、その直線束に付随した標準高さ函数が古典的に知られている。これは、代数的点に対して実数を返す函数で、点のある種の算術的複雑さを測る。1998 年に ShouWu Zhang が代数体上のアーベル多様体に対し、その閉部分多様体で標準的高さの小さい点を十分たくさん持つものを特徴づける定理を証明した。この定理の函数体版として 2013 年に定式化されたものが、幾何的ボゴモロフ予想である。この予想は、何人かの貢献の後、2022年に Xie--Yuan により最終的に解決された。解決に至る重要なステップとして、「至る所非退化なアーベル多様体の場合の予想への帰着」がある。この「帰着」においては、非アルキメデス的幾何、特にベルコビッチ空間における標準測度の解析が重要な役割を果たす。
本講義では、高さの概念を復習した後、幾何的ボゴモロフ予想の定式化を、その背景も合わせて説明する。また、ベルコビッチ空間について概説した後、上記の「帰着」の議論を中心に、幾何的ボゴモロフ予想がどのように解決されたかを概説する。

要申込: 11 月 15 日(水)締切厳守!
受講希望者は、Google フォームにて申し込みを行ってください。
聴講のみの希望者も申し込みが必要です。