集中講義 数学特別講義 2 (応用数学Ⅱ)「微分方程式の数値解析とデータサイエンス」

開催日時
2023/11/06 月 15:00 - 17:00
2023/11/07 火 15:00 - 17:00
2023/11/08 水 10:00 - 12:00
2023/11/09 木 15:00 - 16:45
2023/11/10 金 10:00 - 12:00
場所
3号館110講演室
講演者
宮武 勇登
講演者所属
大阪大学サイバーメディアセンター 准教授
概要

近年、微分方程式はデータサイエンス(より広く情報学の諸分野)で活発に活用されています。ただし、実際に微分方程式を活用する段階においては、微分方程式を数値計算・近似計算する必要があります。このとき、微分方程式をどのように離散化するかが問題となります。もちろん、限られた計算リソースや許容できる計算時間の中で十分に高精度な数値計算ができれば理想的です。しかし、Runge-Kutta 法などの古典的な数値解法を用いる場合に顕著ですが、微分方程式の性質や大規模性の問題から、現実的にはそのような数値計算は困難なことも少なくありません。一方で、例えば画像処理など多くの応用では、必ずしも10桁を超えるような高精度な数値計算が必要とされるわけではありませんが、計算コストが小さく低精度な数値解法で十分というわけではありません。したがって、データサイエンスへの応用を強く意識した微分方程式の離散化方法を考える重要性が高まります。このような手法は、計算の不確実性定量化という観点からも近年注目されています。

本講義では、特に常微分方程式を扱う場合を対象に、データサイエンスへの応用を念頭に微分方程式をどのように離散化するべきかについて、幾つかの事例を通して、特に幾何学的数値解法(微分方程式の解の数理構造を離散化後も厳密に再現する数値解法の総称)の視点から、近年の研究の進展を概観します。

本講義では、常微分方程式の数値計算の基礎(Euler 法や Runge-Kutta法とその次数についてなど)は仮定しますが、その他の発展的な事項については、講義中に扱うか、配布資料で補いながら進めます。

※この講義は、高度に専門的な予備知識を仮定せず、代数・幾何・解析などの分野にかかわらず広く修士課程の大学院生や学部生に開かれた講義として用意されたものですので積極的に受講してください。

要申込:11月1日(水)締切厳守!
受講希望者は、Google フォームにて申し込みを行ってください。聴講のみの希望者も申し込みが必要です。