Regularity estimates and critical structure for fully nonlinear equations

開催日時
2023/06/01 木 16:00 - 17:00
講演者
北野 修平
講演者所属
早稲田大学
概要

完全非線形方程式は最高階である 2 階微分に対して非線形性を持つ方程式である. 本講演は,この様な強い非線形性が解の正則性にどのような影響を与えるか考察する. 線形楕円型である Poisson 方程式の場合,全ての 1 より大きい可積分指数に対して Calderón-Zygmund 評価が成り立つことが知られている. 完全非線形方程式の場合は Caffarelli によって Calderón-Zygmund 評価が次元より大きい可積分指数に対して示された. 一方,Pucci が構成した球対称解を用いると Calderón-Zygmund 評価が発散する可積分指数が楕円定数に依存する関数として得られる.  本講演では典型的な完全非線形方程式である Pucci 方程式を解析し,可積分指数が 1 のときに Calderón-Zygmund 評価が成り立つことを示す. ここで,Pucci 方程式の特別な場合として Poisson 方程式が含まれるが,この場合には評価は発散することに注意する. また Calderón-Zygmund 評価が発散する指数は,Pucci の指数だけではなく,区間やより複雑な集合で表される場合があることも証明する. 本講演は Hongjie Dong 氏(ブラウン大学)との共同研究に基づく.