全空間上の非圧縮ナビエ・ストークス方程式の解の長時間挙動の外力による制御について考察する． 同方程式の解のエネルギー減衰に関しては，Fujigaki-Miyakawa(2001) により，解の線形部分及び非線形部分の漸近展開がなされ，その主要項がそれぞれ明らかにされている． さらに，Miyakawa-Schonbek(2001) によって，一次の主要項を制御するための必要十分条件が得られている． しかし，非線形項の制御のためには，解の時間空間にわたる分布の情報が必要であり，解析を困難なものとしている． そこで，Brandolese-O.(2021) において，外力による作用に着目し，任意の小さな初期値に対して，一次の主要項よりも速い減衰の導出に成功している． 本講演では，先行研究における解析手法を見直すことにより，初期値の条件の緩和や外力の大きさの定量的な評価について考察を行う． 本講演は，Lorenzo Brandolese 氏（リヨン第一大学）との共同研究に基づくものである．