Navier-Stokes方程式の対流項は如何に流れの正則性を担保するのか?

開催日時
2023/01/17 火 16:45 - 18:15
場所
6号館809号室
講演者
大木谷 耕司
講演者所属
京都大学数理解析研究所
概要

速度勾配 V を変数に用いて、変形されたNavier-Stokes流の数値計算を行い、
表題の疑問を考える。基礎方程式は
V_t + a(u.∇)V + VV +RR tr(VV)= ν△V,
ここで、u=△^{-1}∇V、νは動粘性率、Rはリース変換である。
対流項を全く無視すれば、非粘性の場合には爆発解が
ある事が知られている。(Constantin, 1986) 

初期値としては、渦の繋ぎ変えの研究に使われた、
2本の直交する渦管を用いる。(Boratav-Pelz-Zabusky, 1992)
講演では、周期境界条件下でのフーリエ擬スペクトル法による直接数値計算
により以下を示す。
1) 対流項がない場合 (a=0)、粘性流でも短時間で爆発が起きる。
2) 対流項を戻し入れるに従い (0 1 極限で T(a)->∞ となり、
物理的に意味のある Navier-Stokes流 (a=1)の大域的正則性と整合する
と解釈することができる。

時間が許せば、1次元モデルのレビューや、その多次元化についても触れる。