いくつかの無限次元フラクタルの平均ハウスドルフ次元.

開催日時
2022/10/07 金 15:00 - 17:00
場所
3号館108号室
講演者
塚本 真輝
講演者所属
京都大学
概要

(このセミナーはハイブリッドで開催しますが,対面での参加は学内者に限ります.)

注:後期の会場は3号館108セミナー室になりました.

この講演の主要な目的は「無限次元のフラクタル」というものが研究可能な
対象であることを,いくつかの例を通して説明することである.
平均ハウスドルフ次元とはハウスドルフ次元の力学化であり,それを用いることで幾何学的測度論を
力学化できるようになる.フラクタル幾何学の古典的な結果として次の三つを考えよう:

(1)円周内の等質フラクタルのハウスドルフ次元の計算.(Furstenberg 1967).
(2)自己相似集合に対して,ハウスドルフ次元とミンコフスキー次元が一致すること.(Falconer 1989).
(3)自己アファイン・カーペットのハウスドルフ次元の計算.(Bedford, McMullen 1984).

これらの結果の平均ハウスドルフ次元版として以下を研究する:

(1)無限次元トーラス内の等質フラクタルの平均ハウスドルフ次元の計算.
(2)無限次元バナッハ空間内の自己相似系に対して,平均ハウスドルフ次元と距離平均次元が一致すること.
(3)無限次元カーペットの平均ハウスドルフ次元の計算.

この講演は論文arXiv:2209.00512に基づいている.