軟体動物に見られる動的パターン形成の数理モデル

開催日時
2022/06/21 火 16:45 - 18:15
講演者
岩本 真裕子
講演者所属
同志社大学文化情報学部
概要

カタツムリなどの巻貝(腹足類)の這行運動で見られる筋収縮によるパターン(足波)のように,軟体動物は筋肉が発達しており,軟体部の一部分を瞬時に緊張・弛緩させることができる.また,イカなどの頭足類では,体表に様々なパターンが次々に現れ,このボディパターンの変化により擬態行動をしたり個体間のコミュニケーションを取っていると言われている.これらの動的なパターンは,腹足類では筋肉の収縮部分そのものであり,頭足類では筋肉と繋がった色素胞が筋収縮により膨張したり収縮したりすることによる.このように軟体動物にとって,筋収縮は重要な機構であり,種を超えて様々な場面で使われている点を考えると軟体動物の生態を理解する上でも根本的な部分の1つであると考えられる.
 本研究では,軟体動物に見られる動的なパターン形成が実現されるための制御則について,筋収縮と神経系をカップリングした数理モデルを構築し,数値シミュレーションにより得られた結果をもとに議論する.