Spherical objects in dimension two and three

開催日時
2022/05/18 水 17:00 - 18:00
講演者
原 和平
講演者所属
University of Glasgow
概要

Spherical object(球面対象)はspherical twistという自己同値関手を誘導するような導来圏の対象であり,導来圏の自己同値群の決定問題やBridgeland安定性の空間の構造との関係,ミラー対称性などの幅広い観点からの関心により,特に2次元かつ非特異な状況でその分類が研究されてきた.
本講演では(1) du Val特異点の極小特異点解消 (2) du Val特異点の部分クレパント解消 (3) 高々Gorenstein terminal特異点を持つ3-foldのflop収縮の3つの状況に対し,null圏と呼ばれる導来圏の部分三角圏に含まれるspherical objectやその一般化であるfat-spherical objectの分類定理を紹介する.要点は以下のようになる.
(a) 上記の状況でspherical objectが分類できる.
(b) 類似の方法で有界t-構造も分類できる.
(c) 証明においてsilting discrete代数と呼ばれる有限次元(非可換)代数の理論との関係性が鍵になる.
(d) 系として安定性条件の空間の連結性や自己同値群の良い部分群の構造定理が従う.
最後に時間があればsilting discrete代数のsemibrick複体についても詳しく触れる.本講演の内容はMichael Wemyss氏との共同研究です.