折紙メタマテリアルの力学系

開催日時
2022/05/27 金 15:30 - 17:00
場所
6号館809号室
講演者
今田 凜輝・舘 知宏
講演者所属
東京大学
概要

※開始時間を当初の予定より30分遅らせて15:30からとしましたので,ご注意ください.

【ハイブリッド開催です.対面での参加は,あらかじめ登録いただいた学内者に限ります】

折り目パターンを繰り返し敷き詰めた折紙テセレーションは、一つ一つのモジュールの動きが周囲のモジュールの動きと関連しあって全体の形状が変化する。このようなテセレーション全体を材料としてみなすと、非自明な材料変形やかたさなどの性質を示すことがある。そのような材料は「折紙メタマテリアル」と呼ばれ、その性質を理解したり、設計可能とすることを目指した研究が近年盛んに行われている。従来折紙メタマテリアルを考えるときは、一様な材料変形を仮定し、全体の形状を一つのモジュールで代表することが多かったが、非一様な材料変形を考え、一つ一つのモジュールが違う変形をすることを許すと、特に面白い性質が現れることも知られている。
 講演者はこれまで、このような非一様な変形をする折紙メタマテリアルの背後にある数理について力学系の観点から解明を試みてきた。これまでの研究で得られた、折紙テセレーションが持つ系の性質(自由度、準周期的挙動、安定性、分岐、保存量、など)について紹介する。また切り込みを含む切紙構造についても同様の力学系を考えることができるが、切り込みのない折紙とは本質的に異なる挙動となることを紹介する。