エキゾチック・クラスにシンボルをもつ双線形擬微分作用素の有界性について

開催日時
2021/06/11 金 16:00 - 17:00
講演者
至田 直人
講演者所属
大阪大学大学院理学研究科
概要

本講演では,エキゾチック・クラスにシンボルを持つ双線形擬微分作用素について以下の 2 つの研究を紹介する. (1) ベゾフ空間における有界性: $S_{0,0}$ 型の双線形擬微分作用素とは微分に応じて評価の変化しないシンボルを持つもののことを指す. Miyachi-Tomita (2013) によって,この型の作用素に対するルベーグ空間での有界性($L^p \times L^q$ から $L^r$ への有界性)の基本的な部分は示された. 本項目では 線形の $L^2$ 有界性に対応する状況を考え,ベゾフ空間を含む有界性について得られた結果をご紹介したい. (2) 指数の仮定の必要性:双線形擬微分作用素のルベーグ空間における有界性を考えるとき,"$1/p + 1/q = 1/r$" という条件がしばしば仮定される. これはシンボルを定数関数とした場合から自然に導かれる条件であるが,定数関数を含まないクラスを扱う場合にはこの仮定が必要か否かは非自明である. 本項目では,あるエキゾチック・クラスを考える場合にはこの仮定が必要である,ということについて報告したい. (1) は冨田直人氏(大阪大学)との共同研究,(2) は加藤睦也氏(群馬大学)との共同研究に基づく.

備考:本セミナーはZoomオンラインセミナーとして開催します。