Local well-posedness of the Landau-Lifshitz equation in almost critical Sobolev spaces

開催日時
2021/05/28 金 16:00 - 17:00
講演者
清水 一慶
講演者所属
大阪大学
概要

 本講演では幾何学的 PDE の一種である Landau-Lifshitz 方程式について考察する. Landau-Lifshitz 方程式は強磁性体の磁化の時間発展を記述する数理モデルであると同時に「Schrödinger 方程式の幾何学的一般化」としての側面を持ち,物理学・幾何学・分散型 PDE など多岐にわたる文脈との接点をもつ方程式である. この方程式に対してはある種の変換を用いることで電磁場ポテンシャル付き非線形 Schrödinger 方程式(mSM と呼ぶ)に変換され,スカラー値 NLS の枠組みで解析を行うことができる. しかしながら mSM の磁場項がもつ微分非線形性が障害となり解析が難しいという問題点がある.  今回は空間異方性を与える物理項を持つ設定の下で,ほとんど臨界な Sobolev 空間において初期値問題が時間局所適切であることを示す. 証明の鍵となるのが解に対する Strichartz 型の平滑化評価の獲得である. 我々は mSM に対して磁場ラプラシアンのレゾルベントを用いた表示公式を新たに導出し,レゾルベントのスペクトル遠方での減衰評価を適用することで上述の評価を得た.  本研究は S. Ibrahim 氏 (UVic), Y. Bahri 氏 (UVic) との共同研究に基づく.

備考:本セミナーはZoomオンラインセミナーとして開催します。