情報アプローチによるデフォルト伝播モデルとデフォルトリスクのある債券の価格付け

開催日時
2021/06/02 水 16:45 - 17:45
講演者
中川 秀敏
講演者所属
一橋大学
概要

(東邦大・高田英行氏との共同研究)
 本研究では、Brody-Hughston-Macrina(2010)が単一債務者のデフォルトリスク評価のために提案した「情報アプローチ」に基づくモデルを、複数の債務者向けに拡張し、特に相互依存関係がある2つの企業(債務者)が発行する割引債価格の挙動分析に応用した。具体的には、その拡張モデルの下で、デフォルト時回収率ゼロの割引債の価格過程が満たす確率微分方程式を導出し、相手方の債務者がデフォルトするリスクがどのように当該債務者の債券価格の挙動に影響するかを詳しく考察した。
結果として、割引債の時間トレンド項に含まれる安全利子率に対する超過リターン部分が、当該債務者自身のハザードレートだけでなく、「疑似デフォルト損失率」で調整された相手方のハザードレートにも依存することを明らかにした。また、相手方のデフォルト時の割引債価格のジャンプの程度が、当該債務者と相手方の相関関係の程度にどのように依存しているかも明らかにした。さらに、提案モデルに沿ってデフォルト伝播リスクの影響の程度を数値的に調べるための数値例もいくつか与えた。

参考論文:
 Hidetoshi Nakagawa and Hideyuki Takada, "A default contagion model
for pricing defaultable bonds from an information based perspective,"
FS-2020-E-001,HUB FS Working paper series (submitted)
 URL http://www.fs.hub.hit-u.ac.jp/inc/files/staff-research/workingpaper/FS-…

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