傾理論と前射影代数

開催日時
2021/01/06 水 16:30 - 17:30
講演者
伊山修
講演者所属
東京大学数理科学研究科
概要

箙の表現には鏡映関手と呼ばれる、向き付けの異なる箙の表現を結びつける操作がある。これはルート系の鏡映を圏化するものだが、傾加群(tilting module)と導来圏同値のもっとも基本的な例を与える。異なる傾加群を結びつける変異(mutation)と呼ばれる操作は、今世紀に入って団代数の理論に触発されることにより、本格的に研究され始めた。今回はこれを、箙に付随する前射影代数(preprojective algebra)と呼ばれる最も基本的な非可換環の1つを例にとって紹介する。非ディンキン型の場合、コクセター群の元から前射影代数の傾加群が定まるのだが、それは前射影代数の表現論の研究や団代数の圏化で重要な役割を果たす。さらに前射影代数とその冪等元から定まる収縮前射影代数(contracted preprojective algebra)に対して、コクセター群のTits錐を用いて傾加群の分類を与える。その応用として、2次元単純特異点が拡大ディンキン型の収縮前射影代数の一つであることを用い、cDV特異点の非可換特異点解消と呼ばれる特別な反射加群の分類を与える。

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