標数 0 の商特異点（Spec k[[x_1, ..., x_d]] の有限群による商）で成立する性質のいくつかは，標数 p>0で群の位数が p で割れる場合には成立しないことが知られている．この不一致の原因の一つとして，標数 0 では有限群の表現は完全可約だが群の位数が標数で割れる場合にはそうでないことが挙げられる．そこで，有限群ではなく，この完全可約性を定義とする linearly reductive (finite) group scheme（線形簡約な有限群スキーム）に関する商特異点なら同様の性質が成り立つと期待してみる．本講演では標数 0 で成り立つ「商表示の一意性」「3次元以上での剛性」が，修正を加えて linearly reductive の場合にも成り立つことを示す．
（Christian Liedtke 氏（München），Gebhard Martin 氏（Bonn）との共同研究．）

(This is a talk of Tokyo-Kyoto AG seminar on Zoom, and will be given in Japanese.)