粘性 Fornberg-Whitham 方程式の解の高次漸近形

開催日時
2020/11/27 金 15:30 - 16:30
講演者
福田 一貴
講演者所属
信州大学工学部
概要

本講演では,粘性 Fornberg-Whitham 方程式の初期値問題に対する時間大域解の漸近挙動について取り扱う. Fornberg-Whitham 方程式は水面波に関する非線形分散型方程式の一つであり,分散項が非局所的な畳み込み積分の形で与えられるのが特徴である. 本研究で扱う方程式は,元の方程式に散逸効果を表現する粘性項を付与したものであり,非局所分散項付きの Burgers 型方程式とみなせる. KdV-Burgers 方程式などの,分散項付きの Burgers 型方程式に対しては,初期値が空間遠方で減衰する場合,解は非線形散逸波と呼ばれる Burgers 方程式の自己相似解に漸近することと,その最適な漸近レート,また分散の影響が解の第 2 次漸近形に現れることなどが知られている. 本研究では,粘性 Fornberg-Whitham 方程式に対して,非局所分散項が三階微分型の分散項と比べて解の漸近挙動にどのような影響を与えるかという観点から解析を行った. 具体的には,フーリエ変換に基づく非局所分散項の級数展開を利用することで,解の挙動を第 3 次漸近形まで導出し,より高次の漸近形についての考察も行い,解の構造に関する新しい知見が得られたので,KdV-Burgers 方程式に対する結果と比較しながら紹介したい. なお,本講演の内容は板坂健太氏との共同研究に基づく.

備考:本セミナーはZoomオンラインセミナーとして開催します。