2次元微分方程式系の可積分性とPoincaré-Dulac標準形への変換の収束性

開催日時
2019/10/11 金 14:00 - 17:00
場所
6号館609号室
講演者
山中 祥五
講演者所属
京都大学
概要

平衡点近傍における解析手法として,ハミルトン系の場合にはBirkhoff標準形,一般的な場合にはPoincaré-Dulac標準形がある.一般に標準系への変換は収束するとは限らないベキ級数で与えられるが,Zung(2002)により,解析的に可積分であれば平衡点の近傍で収束する変換により標準化可能であることが示されている.この結果により,平衡点近傍における可積分性は収束する標準形への変換の存在と標準形自体の可積分性から調べることが可能と考えられる.このアイデアを適用し,ある2次元微分方程式系に対して,可積分であるための必要十分条件を与える.特に,標準形への変換の収束性を示すためにBorel変換を用いる.また,平衡点を持つ微分方程式に対して,共鳴次数1以下のPoincaré-Dulac標準形は必ず可積分であるという講演者の最近の結果も用いる.