解析的な正定値関数から定まる再生核Hilbert空間における合成作用素の有界性について

開催日時
2019/08/05 月 10:30 - 12:00
場所
6号館809号室
講演者
石川勲
講演者所属
理化学研究所/慶應義塾大学
概要

合成作用素(Koopman作用素)は複素解析的な文脈から古典的に調べられている対象であるが、近年では非線形な力学系モデルから生成される時系列データの解析や機械学習といった工学的な応用の文脈において高い注目を集めている。また、解析的な正定値関数から定まる再生核Hilbert空間は工学や統計において広く使われている対象である。ある写像の性質と写像の定める合成作用素の数学的な性質(有界性やコンパクト性など)との関係性は数学的に興味深い問題であると同時に、工学的な応用への理論保証を与えるためにも重要である。一方で、その関係性が知られているケースはあまり多くないのが現状である。本研究では、いくつか重要なケースで合成作用素の有界性ならば合成作用素を定める写像がcontractiveなAffine写像になるという事実を示したので、それについて証明の概要はアイデアについて概説したい。本研究は池田正弘氏(理研/慶應)、澤野嘉宏氏(首都大)との共同研究である。