Existence of pseudo-heavy fibers of moment maps

開催日時
2019/04/23 火 15:00 - 16:30
場所
6号館609号室
講演者
折田龍馬
講演者所属
首都大学東京
概要

EntovとPolterovichは,「閉シンプレクティック多様体$M$上の任意の運動量写像はnon-displaceableなファイバーを持つ」ことを示した.ここで,$M$の閉部分集合$X$がnon-displaceableであるとは,$M$の任意のハミルトン微分同相写像$\phi$に対して$\phi(X)\cap
X\neq\emptyset$であるときをいう.定理の証明に彼らは,部分シンプレクティック擬状態とよばれる$M$上の汎関数$\zeta$を導入した.その後,彼らは$\zeta$を用い,$M$のheavyな部分集合,superheavyな部分集合のクラスを定義し,「$M$上の任意の運動量写像はheavyなファイバーを持つか?」と問題提起した.ここで,heavyならばnon-displaceableであることに注意する.
本講演では,pseudo-heavyという,heavyとnon-displaceableの間にある概念を導入し,「$M$上の任意の運動量写像はpseudo-heavyなファイバーを持つ」ことを示す.また,$\zeta$がsimpleであれば,「pseudo-heavyならばheavyである」ことを示す.さらに時間が許せば,superheavyなファイバーを持つ運動量写像と$\zeta$の例や,
heavyなファイバーを持たない運動量写像と$\zeta$の例を挙げる.本講演は川崎盛通氏(京都大学数理解析研究所)との共同研究に基づく.