非可換del Pezzo曲面論

開催日時
2019/01/28 月 15:00 - 17:00
2019/01/29 火 15:00 - 17:00
2019/01/30 水 10:00 - 12:00
2019/01/31 木 15:00 - 17:00
2019/02/01 金 10:00 - 12:00
場所
3号館108号室
講演者
大川 新之介
講演者所属
大阪大学大学院・理学研究科
概要

アーベル圏あるいは(enhanced)三角圏を幾何学的対象と見なして研究するのが非可換代数幾何学である。代数多様体上の準連接層の圏が典型例である。
特にdel Pezzo曲面上の準連接層の圏を考えると、その変形はunobstructedであり、genericな変形を考えると通常の代数多様体には対応しない圏が得られる。これらが非可換del Pezzo曲面であり、1987年のArtin-Schelterの論文に始まって数多くの研究がなされてきた。
非可換del Pezzo曲面のうち、非可換射影平面と非可換2次曲面はそれぞれ3次元AS-regular quadratic Z代数および3次元AS-regular cubic Z代数と呼ばれる或る種の非可換環たちによって分類されることがわかっている。さらに、それらは種数1の曲線とその上のいくつかの直線束の組によって分類され、その曲線は然るべき意味で非可換曲面の因子になることがわかっている。
この講義では圏論について多少の準備をした後、3次元AS-regular quadratic Z代数とその分類について説明をする。その後、上述の2つの代数のクラスをより統一的な視点から捉え、同様の理論を一般の非可換del Pezzo曲面にまで拡張するという講師らのプログラムについて紹介する。