Quasireductive supergroups and their representations

開催日時
2018/11/16 金 16:30 - 18:00
場所
RIMS402号室
講演者
柴田大樹
講演者所属
岡山理科大
概要

スーパー代数群は代数群のスーパー類似物として定義される.これは単なる一般化ではなく,代数群の(モジュラー)表現論への応用があるなど興味深い対象である.これまでスーパー代数群の研究は具体的な対象を扱ったものばかりであったが,V. Serganova (2011) はスーパー・シュヴァレー群や queer スーパー群 Q(n) を含む準簡約スーパー群 (quasireductive supergroups) という概念を導入し体系的な研究を行った.特に標数ゼロの代数閉体上定義された準簡約スーパー群 G について,そのスーパー・リー代数 Lie(G) の有限次元既約表現を構成している.
本講演ではホップ代数的アプローチによるスーパー代数群の構造論および表現論の研究手法を紹介する.表現論に関して,体上定義された準簡約スーパー群 G の有理表現圏と,あるスーパー余可換ホップ代数 hy(G) の``可積分''表現圏とが圏同値であることを説明し,実際に G の既約表現を構成する.基礎体が標数ゼロの代数閉体であれば,これは Serganova の構成した既約表現と一致している.また G が良いスーパー放物部分群を持つときに,Kempf コホモロジー消滅定理のスーパー類似などが成り立つことも述べたい.