球面に値を取る調和写像流方程式の解の爆発について

開催日時
2018/05/18 金 15:30 - 17:30
場所
3号館251号室
講演者
関 行宏
講演者所属
九州大学大学院数理学研究院
概要

球面に値を取る調和写像流方程式は極座標系を介してスカラー値の半線形熱方程式に帰着される. 近年,有限時間に現れる解の特異性やその延長について活発に研究されている. 特に Bizon--Wasserman (2015) は高次元において後方自己相似解の非存在を示し,Struwe (1988) の一般的結果と合わせて解の爆発が自己相似的とならないことを証明した. 彼らの議論は背理法によるため爆発解の詳細な挙動については言及していない. 本講演では藤田方程式に対して知られている手法を精密化した形で応用し,典型的な解の構成法を述べる. さらにその解の爆発率が方程式の自己相似的性から決まるオーダーとどれほどずれるかを述べ,特異点周りで詳細な各点評価について報告する. 本研究の一部は P. Bienart 氏(Bonn大学)との共同研究を含む.