結び目群のスロープ元の正規閉包について

開催日時
2018/05/02 水 16:30 - 17:30
場所
RIMS110号室
講演者
伊藤哲也
講演者所属
京都大学数学教室
概要

結び目Kの補空間について、 そのトーラス境界上の単純閉曲線として表される基本群の元をスロープ元と呼ぶ。 Kに沿ったデーン手術で得られる多様体の基本群は、 対応するスロープ元の正規閉包による商群であることから、 スロープ元の正規閉包は3次元多様体の性質と関連が深いことが期待される。 (例えば、有名なProperty Pは非自明な結び目のメリディアンと異なるスロープ元の 正規閉包は補空間の基本群全体と一致しないことを主張している。) ここでは、茂手木公彦氏(日本大学)、寺垣内政一氏(広島大学)との共同研究に基づき、 スロープ元の正規閉包のいくつかの性質を、 3次元多様体の性質と対応させながら紹介する。