定温条件下での相転移を伴う2相流体について

開催日時
2016/10/05 水 16:30 - 17:30
場所
3号館110講演室
講演者
清水 扇丈
講演者所属
京大 人間・環境学
概要

Navier-Stokes方程式に支配される自由境界問題の1つとして, 相転移を伴う2相流体を定温条件下で考察する. 質量保存, 運動量保, エネルギー保存に基づき立式された方程式系は, 半沢変換により複雑な界面条件をもつ準線形方程式系となるが, 自由界面は固定界面に変換され固定界面からの高さで記述される. 圧縮性2相流体に対しては, 密度, 流速, 高さが未知関数となるが, 特性曲線の方法により密度を流速と高さの関数とする. 線形化問題の最大正則性を用いて, 密度の正則性に注意し適切な関数空間で不動点定理を用いて準線形問題の解の存在を証明する. 非圧縮性2相流体に対しては, 密度は正定数となり, 最大正則性から準線形問題の適切性が容易に従い, 線形化問題の固有値解析より平衡解に対する安定性も得られる.