正則化Euler方程式の点渦解を利用したエンストロフィー散逸の数学解析

開催日時
2016/04/19 火 16:30 - 18:00
場所
6号館809号室
講演者
後藤田 剛
講演者所属
京都大学大学院理学研究科数学教室 D
概要

二次元乱流を特徴づける性質として, 高レイノルズ数におけるエネルギー密度スペクトル中のエンストロフィーカスケードとエネルギー逆カスケードに対応する領域の出現が挙げられる. 言い換えれば, 二次元乱流とは粘性ゼロ極限における流体のエネルギー保存とエンストロフィー散逸によって特徴付けられる. よって非粘性流体の運動を記述するEuler方程式の解でこのような性質を持つものが存在すれば, 二次元乱流の数学的構造を解析するうえで重要であると考えられる. しかし, 二次元Euler方程式においてエンストロフィー散逸解を直接構成するには数学的な困難が伴う. 本セミナーでは, Euler方程式の正則化方程式である. Euler-$\alpha$方程式を利用したエンストロフィー散逸解の構成について紹介し, 特に点渦の自己相似3体衝突が生むエンストロフィー散逸に関する数学的結果について説明する予定である.