Divisionally free arrangements of hyperplanes

開催日時
2016/02/12 金 10:30 - 12:00
場所
3号館152号室
講演者
阿部拓郎
講演者所属
京都大学
概要

超平面配置とは、ベクトル空間中の超平面の有限集合であり、ワイル群の鏡映に対応する鏡映面を集めたワイル配置に関連した様々な研究をそのルーツに持つ。超平面配置の代数的研究に、その対数的ベクトル場の自由性がある。これはワイル群の不変式環のある種の一般化であり、自由な対数的ベクトル場を持つ配置(自由配置)にはワイル群と同様、自由配置の補空間の様々な不変量を記述する指数が定義できる。

この自由性が、超平面配置のどのような情報から決定されるか、という問題は極めて基本的でありながら、本質的な進展はほとんどなかった。本講演ではまず、与えられた配置の自由性を判定する剰余定理を示す。これは寺尾宏明氏により1980年に証明された自由配置に関する加除定理の、初めての本質的な発展である。これを用いることで、剰余的自由配置と呼ばれる新しい自由配置のクラスを定義することができる。これは自由配置中でも、帰納的自由配置すべて、及びrecursively free arrangementsの多くを含むと期待される、極めて大きなクラスである。そしてこのクラスの中では、自由性は組み合わせ論的に決定されることを見る。

更に時間が許せば、実は剰余的自由性は第二ベッチ数(あるいは第二チャーン類)の情報からのみ決定されることを示した上で、自由性の位相幾何的な形を明らかにしうるアプローチである、剰余旗の理論についても述べたい。