Physical Reservoir Computingの数理

開催日時
2016/02/05 金 14:00 - 17:00
場所
6号館609号室
講演者
中嶋 浩平
講演者所属
京都大学白眉センター/情報学研究科・JST PRESTO
概要

Reservoir Computing (RC)は、リカレントニューラルネットワークの研究により発展してきた情報処理手法の一つである。この手法では、ネットワーク内部の結合を調節せずにリードアウトの結合のみを最適化するため、任意の大自由度力学系を情報処理に活用することが可能となる。この点に着目し、近年、物理系のダイナミクスを情報処理デバイスの一部として活用する手法である、Physical Reservoir Computing (PRC)が提案された。現在、ソフトロボティクス、ナノマテリアル分野、レーザーのダイナミクスなど各方面で種々の応用が進められており注目を集めている。本発表では、RCならびにPRCにおける数理的な側面に力点をおきながら、「RCとPRCの本質的な違いは何か」、そして「どのような力学系が情報処理に適しているのか」を明らかにすることを目的とする。発表の前半は、タコ足計算機や流体計算機の例を通してRCとPRCの手法を概観する。後半では、力学系におけるNoise-induced phenomenaやStrange non-chaotic attractorの情報処理能力について詳細に議論する。