Energy method for structure-preserving finite difference schemes, and its applications

開催日時
2015/06/05 金 15:30 - 17:30
場所
3号館251号室
講演者
吉川 周二
講演者所属
愛媛大学工学部
概要

エネルギークラスにおいて時間局所解を構成し,エネルギー保存則で時間大域解を構成するエネルギー法は偏微分方程式において古典的かつ標準的な手法である. 本講演では,離散変分導関数法などで導出されるエネルギー保存則や散逸則を満たす偏微分方程式の構造保存型数値計算スキームに対するエネルギー法を紹介する. 例えば, Cahn-Hilliard方程式やBoussinesq型方程式に対する既存の解の存在証明では,時間の刻み幅を空間の刻み幅に対して小さくとるという仮定を課している. 今回紹介する方法を用いると,時間の刻み幅のみ小さくとれば空間の刻み幅によらず解の存在を証明することが できる. また証明の中で,ある対称な恒等式を紹介する. この恒等式を用いるとより一般的な非線形項に対しても同様の議論が展開できる.