グラフの剛性の組合せ的特徴付けについて

開催日時
2014/12/16 火 15:00 - 16:30
場所
6号館609号室
講演者
谷川眞一
講演者所属
数理研
概要

ユークリッド空間内に埋め込まれたグラフの各辺を棒材,各頂点を節点と捉えることでグラフの局所剛性や大域剛性を定義することが出来る.一般的な埋め込みに対する剛性は一般剛性と呼ばれており,Asimov-Roth(1978)によって一般局所剛性が,Gortler-Healy-Thurston(2010)によって一般大域剛性がグラフの性質であることが示されている.
 2次元の場合,Maxwellの条件によってグラフの一般局所剛性が組合せ的に特徴付けされることがLaman(1971)によって示されているが,3次元以上の場合においてはMaxwellの条件は十分ではなく,特に3次元一般剛性の組合せ的特徴付けは剛性理論における重要な未解決問題である.同様に大域剛性に対しては,2次元の場合Connelly(2005)とJeckson-Jordan(2005)によって組合せ的特徴付けが与えられ,3次元以上は未解決である.
 本講演では,グラフの一般剛性の組合せ的特徴付けに関し,主要な成果を概説し,3次元剛性に関する講演者の最近の成果や近年活発に研究が行われている対称性を有するグラフなどへの展開を紹介する.