スペシャルラグランジュ部分多様体の特異点

開催日時
2014/12/09 火 15:00 - 16:30
場所
6号館609号室
講演者
今城洋亮
講演者所属
IPMU
概要

スペシャルラグランジュ部分多様体はカラビ・ヤウ多様体の部分多様体で、ラグランジュ部分多様体かつ極小曲面である。コンパクトなスペシャルラグランジュ部分多様体全体のモジュライ空間は多様体(manifold)の構造を持つ。幾何学的測度論によりモジュライ空間をコンパクト化できる。コンパクト化した空間が境界付あるいは角付多様体のような良い構造を持つかは未解決問題であり、言い換えれば、スペシャルラグランジュ部分多様体がどのような特異点を持ち、それがどのように解消されたり形成されたりするかという問題になる。この問題はString Theoryでも重要である(SYZ予想など)。もしコンパクト化した空間が充分良い構造を持てばスペシャルラグランジュ部分多様体の「数え上げ」ができることになる。
私が研究してきたことは単純な特異点を詳しく調べるということである。最も易しい場合として特異点がClifford T^2-coneであるようなスペシャルラグランジュ部分多様体Xを考える。コンパクト化したモジュライ空間におけるXの近傍を私は決定した。他にも特異点が2枚のスペシャルラグランジュ平面の横断的交叉である場合にフレアー理論が使えるという仮定の下で特異点解消の一意性を証明した(Joyce、Oliveira dos Santosとの共同研究)。