"負次元"の曲率次元条件

開催日時
2014/05/13 火 15:00 - 16:30
場所
6号館609号室
講演者
太田慎一
概要

曲率次元条件と呼ばれる不等式は2つある。1つはBakry-Emeryにより線形半群に対して導入されたもので、微分幾何的にはボホナー不等式の拡張と考えられる。より新しいのはSturmとLott-Villaniによって導入された最適輸送理論に基づくもので、Sturm/Lott-Villaniの条件(の一種)とラプラシアンについてのBakry-Emeryの条件は、性質の良い測度距離空間では一致する。

曲率次元条件は2つのパラメーターK、Nを持ち、Kはリッチ曲率の下限、Nは次元の上限と解釈される。すると、Nが負の場合を考えるのはナンセンスに思えるが、実はそのような条件は関数不等式などに関連してユークリッド空間では以前から研究されている。この講演では、Nが正の場合の曲率次元条件の概要と、Nが負の場合に出来ることと出来ないことを紹介する。