べき零多様体の代数幾何学的特徴つけ

開催日時
2014/05/07 水 16:30 - 17:30
場所
RIMS110号室
講演者
並河 良典
講演者所属
京大・理
概要

複素シンプレクティック多様体 X とは,大雑把にいうと,非特異部分に正則シ
ンプレクティック形式 w をもった複素代数多様体のことである. 特に,アファ
インなシンプレクティック多様体は,代数幾何や幾何学的表現論で重要な働きを
する. シンプレクティック商特異点,複素半単純リー環のべき零軌道の閉包(の
正規化), Slodowy 切片, Quiver 多様体などがその代表例である. この講演
では,アファインシンプレクティック多様体のなかで,複素半単純リー環のべき零
多様体を特徴付ける. 具体的には次の結果を紹介するのが目標である: 「特
異点をもった複素シンプレクティック多様体 (X,w) が,アファイン空間の中で斉
次多項式の完全交差としてあらわされ,さらにシンプレクティック形式も斉次な
ら,(X,w)は複素半単純リー環のべき零軌道とKostant-Kirillov 形式の組に一致
する.」  
証明には,ポアソン変形,(複素)接触幾何,森理論などを用いる.