線型スライス内の quasi-Fuchsian 表現の成分について

開催日時
2014/06/03 火 15:00 - 16:30
場所
6号館809号室
講演者
蒲谷祐一
講演者所属
京大理
概要

穴あきトーラスの(放物的元を保つ)PSL(2,C)表現の空間は複素2次元の代数多様体で,quasi-Fuchsian表現の集合はその中で実4次元の開球体になる事がわかる。穴あきトーラス上の単純閉曲線に関するトレース関数一定で定まるスライスを考える。Quasi-Fuchsian表現の集合の切り口は開円板からなる事が知られている。特にトレース関数が実数一定で定まるスライスを考えると Fuchsian 表現を含む成分があるが,そのほかに成分があるかどうかが Komori-Yamashita により調べられた。すなわち,トレースの値が小さいときには他の成分が現れないが,大きいときには現れることが示された。今回の講演では Komori-Yamashita の結果について3通りの別証明を与える:(1) トレース関数の性質を用いる,(2) 複素射影構造のThurston座標系を用いる,(3) Bromberg の Maskit slice の近傍のモデルを用いる。