リッチ流の曲率がピンチされた完備な古代解について

開催日時
2014/06/17 火 15:00 - 16:30
場所
6号館609号室
講演者
横田巧
講演者所属
数理研
概要

リッチ流の古代解とは R. Hamilton が導入した発展方程式を満たすリーマン計量の族で過去に無限時間存在するもののことである。一般論として、開多様体上の曲率が有界とは限らないリッチ流の解析は難しい。本講演では、Brendle-Huisken-Sinestrari による閉多様体上の古代解に関する定理の拡張である、リッチ流の曲率がピンチされた完備な古代解に関する剛性定理の主張と証明を説明する。元の定理の証明では鍵となる補題の証明に最大値原理を用いるが,我々の証明では B.-L. Chen による最大値原理的議論を用いて、それを開多様体に対する補題に拡張する。