シリンダー上でのヤン・ミルズ反自己双対方程式を考える．これは一種の非線形発展方程式とみることができる．その不動点は平坦接続に対応し，不動点の間のconnecting orbitsはインスタントンと呼ばれる特殊な解に対応する．この講演では，この発展方程式の有界軌道全体を考察したい．すると，この中にはカオス的な振る舞いをする解が多数含まれる．実際には，これは無限次元かつ無限エントロピーの非常に巨大な力学系となる．この力学系をグロモフによる平均次元の視点から解析する．主結果として，シリンダーの断面が標準的３次元球面の場合に，平均次元の厳密な公式を与える．