標数 3 の巾零許容固有束と Cartier 作用素

開催日時
2014/11/21 金 10:30 - 12:00
場所
3号館152号室
講演者
星裕一郎
講演者所属
RIMS
概要

題目中の「巾零許容固有束(nilpotent admissible indigenous bundle)」とは、正標数の代数曲線上の適当な性質を満たす接続付き射影直線束のことであり、(古典的な)p 進 Teichmuller 理論(の正標数の部分)における中心的な概念である。本講演では、標数が 3 の場合に、この巾零許容固有束、及び、その特別な場合である「巾零通常固有束(nilpotent ordinaryindigenous bundle)」の超特異因子(= Hasse 不変量が定める因子)のCartier 作用素を通じた特徴付けについての解説を行う。一方、(たとえ正標数の部分のみに限っても)p 進 Teichmuller 理論に親しみのある聴講者ばかりとは考えにくいため、講演の半分(以上)は、その理論の復習に費やされる予定である。